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いくつ知ってる?パグの病気リスク

今回は、最新の獣医学研究や統計データをもとに、パグと暮らすなら知っておきたい「4つの病気」をご紹介します。


1. 「いびき」は要注意!呼吸器疾患のリスクは他犬種の53.9倍

パグの寝息から聞こえる「ブヒブヒ」「ガーガー」といういびき。可愛いと笑ってしまいがちですが、実は短頭種気道症候群(BOAS)という病気のサインかもしれません。

パグは頭蓋骨が短い一方で、口の中の軟らかい組織(軟口蓋など)は他の犬と同じ量があります。そのため気道が狭くなり、呼吸がしづらい状態になっています。

最新の研究では、パグは他犬種と比べてBOASを発症するリスクが53.9倍と報告されており、さらに約64.6%のパグが臨床的に問題となる呼吸症状を抱えているとされています。

「いびきはパグだから当たり前」と放置すると、慢性的な酸欠によって心臓へ負担がかかったり、誤嚥性肺炎を引き起こしたりすることもあります。呼吸が苦しそうだったり、睡眠中のいびきが大きかったりする場合は、早めに獣医師へ相談しましょう。症状によっては、若いうちに気道を広げる手術が勧められることもあります。


2. 愛らしいシワが落とし穴に。皮膚炎リスクは雑種犬の16.3倍

パグの大きな魅力でもある額や鼻まわりの深いシワ。しかし、このシワは皮膚トラブルが起こりやすい場所でもあります。

イギリス王立獣医科大学(RVC)の大規模調査「VetCompass」では、パグは皮膚炎や間擦疹(かんさつしん)などの皮膚感染症になるリスクが、一般的な雑種犬の16.3倍と報告されています。

シワの奥は風通しが悪く、涙やよだれ、皮脂などの水分がたまりやすいため、細菌やマラセチア(皮膚に常在する酵母菌)が増えやすい環境になります。

さらに、約13%のパグにみられる肥満傾向はリスクをさらに高めます。体脂肪によってシワが深く密着し、湿気や汚れがたまりやすくなるためです。


3. 大きな瞳ほど注意。角膜潰瘍のリスクは約15倍

パグの印象的な大きな瞳も、実はとてもデリケートです。

イギリスの一次診療病院で行われた10万頭以上を対象とした調査では、パグの角膜潰瘍(目の表面に傷ができる病気)の有病率は5.42%で、一般的な交雑犬の約15倍という高いリスクが報告されています。

さらに研究では、「マズルの長さ ÷ 頭の長さ」が0.5未満の極端な短頭種は、そうでない犬に比べて角膜潰瘍になりやすいリスクが約20倍であることも分かっています。

目が前方へ突出しているため乾燥しやすく、さらに鼻の上のシワや被毛が眼球に触れ続けることで、慢性的に角膜へ傷がついてしまうのです。

目をしょぼしょぼさせる、涙が増える、目をこするなどの様子があれば、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。


4. 若いパグを襲う不治の病「パグ脳炎」

パグを迎えるなら、ぜひ知っておいてほしい病気が壊死性髄膜脳炎(NME)、通称「パグ脳炎」です。

脳の組織が壊死していく進行性の病気で、発症すると、けいれんや旋回運動、視力障害、意識障害などの神経症状が現れます。

最新の研究では、発症年齢は1〜3歳に集中しており、メスでは発情後に発症しやすい傾向も報告されています。自己免疫が関与すると考えられており、発症率は全体の約1〜2%と推定されています。

残念ながら予防法は確立されていませんが、突然の発作やぼんやりした様子、いつもと違う行動が見られた場合は、できるだけ早く脳神経を専門とする獣医師を受診することが大切です。早期に診断・治療を始めることで、病気の進行を遅らせられる可能性があります。


今日からできるパグの健康チェック

パグと少しでも長く元気に暮らすために、今日から次のポイントを意識してみましょう。

  • 肥満を防ぐ(最優先)太ると気道まわりに脂肪がつき、BOASが悪化しやすくなります。あばら骨が軽く触れられる体型を目安に維持しましょう。

  • 「いびきは個性」と思わない寝ている時や興奮した時の大きないびきや呼吸音は、一度獣医師に相談し、気道の状態を評価してもらうことをおすすめします。

  • シワは毎日やさしくお手入れする鼻や口元のシワは湿らせたコットンなどで汚れを拭き取り、最後は乾いた布で水分をしっかり取り除きましょう。清潔を保つことで皮膚炎や目への刺激を防ぎやすくなります。

  • 暑い時間帯の散歩は避けるパグは呼吸による体温調節が苦手なため、熱中症のリスクが非常に高い犬種です。夏場は早朝や夜の涼しい時間帯を選びましょう。

  • 若い時期の神経症状を見逃さない1〜3歳でけいれんや異常行動が見られた場合は、「パグ脳炎」の可能性も考え、できるだけ早く専門医へ相談しましょう。

パグは生まれつき特有の健康リスクを抱えやすい犬種です。しかし、その特徴を正しく理解し、日頃から小さな変化に気づいてあげることで、防げる病気や早期発見できる病気も少なくありません。

「いつもと少し違うかも」という違和感こそが、愛犬の健康を守る大切なサインです。ぜひ毎日の様子をよく観察し、気になる変化があれば早めに獣医師へ相談してあげてください。


【出典・参考リンク】

 
 
 

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